NISAで債券ファンドはアリか:リスク資産の枠の使い方
新NISAの非課税保有限度額1,800万円を、どの資産に使うかは大切な選択です。
結論から言うと、長期資産形成を目的にするなら、NISA枠は全世界株式やS&P500などの低コスト株式インデックスファンドに使うのが基本です。
生活防衛資金や近いうちに使うお金は、NISAの中で債券ファンドを買うより、NISA外の現金・預金で持つ方が分かりやすいです。
シンプルに考えるなら、
- NISA:株式インデックスファンド
- NISA外:生活防衛資金や安全資産として現金・預金
という分け方がおすすめです。
「NISAは株式」と言われる理由
NISAは、投資で得た売却益や配当・分配金が非課税になる制度です。
通常、課税口座で投資信託や株式を売却して利益が出ると、原則として約20%の税金がかかります。NISAではこの税金がかからないため、利益が大きくなりやすい資産ほど、非課税メリットも大きくなります。
債券ファンドは、株式より値動きが小さい傾向がありますが、その分、長期の期待リターンも株式より低くなりやすいです。
そのため、非課税枠の使い方としては、債券ファンドよりも株式インデックスファンドを優先する方が合理的です。
守りのお金はNISA外で持つ
生活防衛資金、数年以内に使う予定の教育費、住宅資金、車の買い替え費用などは、そもそも投資に回さない方がよいお金です。
こうしたお金は、NISAの中で債券ファンドにするより、現金・預金で持っておく方が安心です。
債券ファンドは「債券」という名前がついていても、元本保証ではありません。金利が上がれば価格が下がることがありますし、外国債券ファンドでは為替の影響も受けます。
特に、為替ヘッジなしの外国債券ファンドは、円高になると円ベースの評価額が下がることがあります。ハイイールド債券や新興国債券は、株式に近い値動きをする場合もあります。
債券ファンドの種類や注意点については、別記事「債券ファンドの基本」で詳しく整理します。
NISAで債券ファンドを使う場合
債券ファンドをNISAで持つこと自体が間違いというわけではありません。
株式100%では値動きが怖くて続けられない人や、NISA口座の中だけで資産配分を完結させたい人は、債券ファンドやバランスファンドを一部使ってもよい場合があります。
この場合は、非課税メリットを最大化することよりも、投資を続けられる形にすることを優先します。相場下落時に売ってしまうくらいなら、少しリターン期待が下がっても、値動きを抑えた配分にする方が現実的です。
ただし、債券ファンドやバランスファンドは、あくまで補助的な位置づけです。長期で資産を増やす部分は、株式インデックスファンドを中心に考えると分かりやすいです。
退職後・取り崩し時期が近い場合
退職後やセミリタイア後など、取り崩し時期が近い人は、株式だけの運用が不安になることもあります。
ただし、その場合も、NISA内に債券ファンドを入れることだけが答えではありません。
近いうちに使う生活費は、NISA外の現金・預金で数年分確保し、NISA内の株式インデックスファンドは長期で保有する方がシンプルです。
NISAで買うときの注意点
NISAで債券ファンドやバランスファンドを買う場合は、対象商品かどうかを確認しましょう。
つみたて投資枠では対象商品が限られます。成長投資枠では選べる商品が広がりますが、毎月分配型の投資信託や、信託期間が短い商品などは対象外です。
証券会社の商品ページで「NISA対象」「成長投資枠対象」などの表示を確認してから購入するようにしましょう。
まとめ
NISAで債券ファンドを持つことは、制度上は選択肢の一つです。
ただし、長期資産形成を目的にするなら、NISAは低コストの株式インデックスファンドに使い、守りのお金はNISA外の現金・預金で持つ方が分かりやすいです。
債券ファンドは元本保証ではなく、金利上昇、為替変動、信用リスクなどで値下がりすることがあります。安全資産のつもりで持つなら、現金・預金の方がシンプルです。
一方で、株式100%では不安が強くて投資を続けられない人は、債券ファンドやバランスファンドを一部使ってもかまいません。大切なのは、理論上の効率だけでなく、相場下落時にも続けられる形にすることです。
本記事は資産配分の整理を目的とした一般的な情報であり、特定の商品や証券会社を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の家計状況、投資期間、リスク許容度に応じて行ってください。
※本記事の制度内容は2026年5月時点の情報です。NISA対象商品や制度内容は変更される可能性があるため、最新情報は金融庁、資産運用業協会、各証券会社、各運用会社の公式サイトで確認してください。
制度や商品は変わるので、最新情報は公式サイトで確認してください。
関連診断・関連記事
はじめての人へ → おすすめ経済圏は楽天から
新NISAを学ぶ → 新NISAの基礎と活用戦略
iDeCoを学ぶ → iDeCoの基礎と活用戦略
節約余地を見つける → 節約見直しチェック
よくある質問
- Q1. 新NISAで債券ファンドを買う意味はありますか?
- 非課税枠は限られているため、リターンが高い株式ファンドで枠を使い切る方が合理的という考えが主流です。ただしリタイア後に値動きを抑えたい場合や、枠に余裕がある場合は検討の余地があります。
- Q2. NISAの成長投資枠で債券ファンドは買えますか?
- はい、成長投資枠では多くの債券ファンドが対象です。つみたて投資枠では債券のみのファンドは対象外ですが、バランスファンドの一部に含まれるものはあります。
- Q3. 特定口座で債券ファンドを持つのと、NISAで持つのはどちらが良いですか?
- 債券ファンドのリターンは株式より低い傾向があるため、非課税の恩恵も小さくなります。NISA枠が余っているなら入れても問題ありませんが、株式ファンドで枠を埋められるなら株式を優先する方が効率的です。
- Q4. 債券ファンドはいつ買うべきですか?
- 金利がピークに近い局面で購入すると、その後の金利低下で基準価額が上がりやすくなります。ただし金利の天井を正確に当てることは困難なので、タイミングを狙いすぎない方が実用的です。