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株価指数は1日・1ヶ月・1年でどれくらい動くのか — S&P500・オルカンの値動きの大きさ

📌 情報の取り扱いについて:本記事の数値は2026年時点で確認できる公開情報(指数提供元のデータ、投資信託の交付目論見書・評価データ)をもとにした過去の実績・概算です。値動きの大きさは時期によって変わり、将来の値動きやリターンを保証するものではありません。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や投資判断を推奨するものではありません。記載に誤りを見つけられた場合はお問い合わせフォームよりご連絡いただけると助かります。

値動きの大きさは「標準偏差」で表す

株価指数がどれくらい動くかは、標準偏差(ボラティリティ)という指標で表されます。これは「リターンが平均からどれくらいばらつくか」を示す数字です。

ざっくり言うと、「だいたい±この範囲に、おおよそ7割くらいの確率で収まる」という目安だと考えると分かりやすいです。たとえば1年の標準偏差が15%なら、多くの年は平均から±15%くらいの範囲で動く、というイメージです。

ただし、これはあくまで平常時の目安です。後で見るように、暴落時はこの範囲を大きく超えることがあります。

1日・1ヶ月・1年でどれくらい動くか

S&P500(米国株)と全世界株式(オルカン)の、値動きの大きさのおおよその目安です。

期間S&P500(米国株)オルカン(全世界株)
1日±約1%±約0.9%
1ヶ月±約4〜5%±約4%
1年(標準偏差)±約16〜17%±約14〜15%

※1年は円ベースの年率標準偏差(eMAXIS Slimの投信評価データ・2026年5月末・5年)。1日・1ヶ月は年率からの概算。「±」は標準偏差1つ分(おおよそ7割が収まる範囲)の目安です。

普通の日は±1%前後、1ヶ月で±数%、1年では±15%前後動くのが「いつもの揺れ」です。逆に言えば、1日で1%下がった程度は、株式投資ではごく日常的な動きということになります。

普段の動きと、過去の「最大・最小」

上の表は「いつもの揺れ」ですが、過去には、これを大きく超える日・月・年がありました。S&P500(米国株・ドル建て)の、普段の値動きと過去の最大・最小を並べると、次のようになります。

期間普段(標準偏差)過去最大の上昇過去最大の下落
1日±約1%+約11.6%(2008年)-約20.5%(1987年 ブラックマンデー)
1ヶ月±約5%+約12.7%(2020年4月)-約16.9%(2008年10月)
1年±約16%+約52.6%(1954年)-約37%(2008年)

※1日は価格指数ベース、1年は配当込み、いずれもドル建て。さらに古い大恐慌期には、1日+16.6%(1933年)、1ヶ月約-30%(1931年)、1年-44%(1931年)といった、より極端な記録もあります。円ベースでは為替変動も上乗せされます。

普段は±1%程度しか動かない1日でも、1987年のブラックマンデーには1日で約-20%下げました。1年で見ても、2008年のリーマンショックの年は約-37%です。全世界株(オルカン)も、ドル建て(配当込み)で2008年に約-42%下落しています(全世界株の1日・1ヶ月の史上最大・最小は公表が限られます)。

つまり、標準偏差は「いつもの揺れ」を示すもので、まれにそれを大きく超える動きが起こると知っておくことが、暴落で慌てないための準備になります。

全世界(オルカン)の方が、米国集中(S&P500)より振れが小さい

同じ運用会社(eMAXIS Slim)の円ベースのデータで比べると、年率の標準偏差(2026年5月末・直近5年)は次の通りです。

  • S&P500(米国株)… 約16.5%
  • オルカン(全世界株)… 約14.5%

全世界に分散しているぶん、一国集中のS&P500よりも値動きがやや穏やかになっています。ただし、これは平常時の値動きの幅(標準偏差)の話で、暴落した特定の年の下落率とは別の指標です。たとえば前述の2008年は、全世界株の方がS&P500より大きく下げており、どちらの下落が大きいかは年によって前後します。とはいえ差は2ポイント程度で、どちらも株式である以上、相場全体が大きく下げる局面では両方とも下がります。「全世界だから安全」というほどの差ではない点には注意が必要です。S&P500とオルカンの考え方の違いはインデックス投資の基本(オルカン vs S&P500)で整理しています。

1年の「実際の幅」— 好調な年と暴落の年

平常時の標準偏差は±15%前後ですが、実際の1年ごとの結果は、もっと大きく振れることがあります。

好調な年は1年で+20〜30%上がることもあれば、暴落の年は大きく下がります。たとえばS&P500は2008年に1年で約-37%(配当込み)、2022年に約-18%下落しました。全世界株(オルカン)も2022年は約-18%でした。

つまり、「1年で2〜3割動く年」は、長く投資していれば普通に起こるということです。平均だけを見て「毎年コツコツ増える」とイメージすると、暴落の年に慌てやすくなります。

過去の大きな下落 — 暴落でどこまで下がったか

過去の主な暴落で、高値からどこまで下がったか(ドローダウン)です。指数(ドル建て)ベースのおおよその数字です。ここでの数字は暦年(1月〜12月)の下落率ではなく、高値から底までの下落幅です。たとえば2008年の世界金融危機は、暦年で見ると約-37%(前述の表)ですが、2007年秋の高値から2009年春の底まで通しで見ると約-57%になります。同じ年でも、どの区間で測るかで数字が変わる点に注意してください。

局面S&P500全世界株(ACWI)回復まで
ITバブル崩壊(2000〜2002)約-49%約7年
世界金融危機(2008)約-57%約-58%約5年
コロナショック(2020)約-34%(約1ヶ月で急落)約-30%台約半年
2022年(利上げ局面)約-25%約-25%約2年

このように、暴落時には高値から半分近く下がることもあります。これは平常時の標準偏差では測りきれない「まれに起きる大きな下落」です。一方で、過去はいずれも時間をかけて回復し、高値を更新してきました(長期で見た回復の歴史は長期積立は本当に報われるのかを参照)。

なお、1年単位でマイナスになる年は、過去おおむね4年に1回程度で、残りの年はプラスでした。下がる年は避けられませんが、長く持つほどプラスの年が積み上がっていく形です。

投資額が増えるほど、金額の振れは大きくなる

ここまでは「%」で見てきましたが、実際に心が揺さぶられるのは金額です。値動きの割合が同じでも、投資額が増えるほど、動く金額は大きくなります。

投資額1日 ±1% なら1年で-30% なら
100万円±約1万円-30万円
500万円±約5万円-150万円
1,000万円±約10万円-300万円
3,000万円±約30万円-900万円

同じ「1日1%」でも、100万円なら1万円ですが、3,000万円なら30万円が1日で動きます。暴落で1年-30%なら、3,000万円では-900万円です。%は同じでも、資産が増えると心理的なインパクトは段違いになります。

だからこそ、資産が増えてきたら、値動きに慣れておくことと、生活防衛資金で守りを固めておくことが大切です。暴落時に「これ以上減るのが怖い」と売ってしまわないために、当面使わないお金の範囲で投資する、という基本が効いてきます(暴落時の心構えは暴落時に動じないための考え方を参照)。

値動きとどう付き合うか

値動きの大きさを知ったうえで、付き合い方の基本を整理します。

  • 標準偏差は平常時の目安。暴落はそれを超えることがある、と最初から織り込んでおく。
  • 短期の上下は誰にも当てられない。毎月一定額を積み立てて、値動きを当てに行かない(ドルコスト平均法)。
  • 長期(数年〜数十年)では振れは均されてきた。ここまで見た1日・1ヶ月・1年の動きは短期の話で、保有期間を長くとるほど、年ごとの振れは平均化されてきました。1日や1年の上下に一喜一憂せず、保有を続ける(過去データで見る長期投資)。
  • 自分が夜眠れる金額・配分で投資する。値動きが怖いと感じるなら、株式の比率を下げる、現金を厚めに持つ、という選択もある。

値動きの大きさは「リスク」と呼ばれます。長期の資産形成では、このリスクを受け入れることが、リターンを得るための土台になります。リスクが大きいこと自体は、悪いことではありません。大事なのは、値動きに振り回されても脱落せずに保有し続けることです。リスクの大きさをあらかじめ知っておくことが、慌てて売らないための一番の準備になります。

よくある質問

Q1. 株価指数は1日でどれくらい動くのが普通?
平常時で1日あたり±1%前後が目安です(日次リターンの標準偏差ベース、円換算の概算)。多くの日は0〜1%程度の小さな動きですが、相場が荒れる局面では1日で数%、コロナショックのような暴落時には1日で10%近く動くこともあります。標準偏差はあくまで平常時の目安で、暴落時はそれを超えると考えておくのが安全です。
Q2. S&P500とオルカン(全世界株)はどちらが値動きが小さい?
全世界に分散するオルカンの方が、米国に集中するS&P500よりも値動きがやや小さい傾向があります。同じeMAXIS Slimシリーズの円ベースの年率標準偏差(2026年5月末・5年)で比べると、S&P500が約16.5%、オルカンが約14.5%で、オルカンの方が約2ポイント小さくなっています。ただしどちらも株式なので、大きく下落する局面では両方とも下がります。
Q3. 過去最大でどこまで下がった?
2007〜2009年の世界金融危機(リーマンショック)では、高値から米国株(S&P500)で約57%、全世界株(MSCI ACWI)で約58%下落しました。回復までにはおおよそ5年かかっています。2020年のコロナショックでは約1ヶ月で30%超の急落がありましたが、約半年で回復しました。これらは平常時の標準偏差を超える、まれに起きる大きな下落です。
Q4. 投資額が増えたら値動きにどう備える?
値動きの割合(%)が同じでも、投資額が増えるほど金額の振れ幅は大きくなります。1日±1%でも、100万円なら±1万円、1,000万円なら±10万円です。資産が増えてくると、暴落時に動く金額の大きさに心が揺さぶられやすくなります。生活防衛資金を確保し、当面使わないお金の範囲で投資することで、下落時に売らずに済む状態を保つことが大切です。
※ 本記事の数値は過去の実績・概算であり、将来の値動きやリターンを保証するものではありません。投資信託は元本保証ではなく、値動きや為替変動により損失が生じる場合があります。投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。

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