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保険の種類と入り方 — 必要な保険・いらない保険の見分け方

📌 情報の取り扱いについて:本記事は2026年時点の公開情報をもとに作成していますが、税制改正や制度変更により内容が古くなることがあります。保険商品・公的制度・NISA・税制の仕様は、利用前に必ず公式情報をご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や投資判断を推奨するものではありません。記載に誤りを見つけられた場合はお問い合わせフォームよりご連絡いただけると助かります。

「保険は種類が多すぎて、結局なにに入ればいいのか分からない」

これは、多くの人がつまずくところだと思います。

生命保険、医療保険、がん保険、就業不能保険、火災保険、自動車保険……名前を挙げるだけでもきりがありません。

ただ、保険は「考え方の地図」を持っておくと、ぐっと整理しやすくなります。

この記事では、保険でお金が戻ってくる仕組みを押さえたうえで、主な種類を一覧と詳細で整理し、優先度の高い保険・低めの保険の見分け方と、入り方の基本をまとめます。

結論からいうと、保険は「めったに起きないけれど、起きたら家計が大きく傾く損害」に絞って入るのが基本です。

そして、貯蓄や運用は保険と分けて考えます。

保障は必要最小限にし、その分、生活防衛資金や新NISAなどの資産形成に回す方が、家計全体としては効率的になりやすいです。

保険は「めったに起きないが、起きたら家計が傾く損害」に備えるもの

保険の基本的な役割は、「起こる確率は低いけれど、起きたら自分や家族の家計が立ち行かなくなる損害」に備えることです。

逆にいえば、貯蓄でまかなえる範囲の出費は、必ずしも保険にする必要はありません。

たとえば、数万円〜十数万円の出費であれば、保険ではなく生活防衛資金で対応できることも多いです(→ 生活防衛資金の作り方)。

極論をいえば、お金が無限にあれば保険は必要ありません。どんな損害も自分のお金で払えるからです。保険が役立つのは、貯蓄では払いきれない大きな損害があるからです。

保険を考えるときの順番は、次のようになります。

  1. まず公的保険でどこまで守られるかを確認する
  2. 公的保険でカバーしきれない「大きな損害」だけを民間保険で補う
  3. 貯蓄・運用は、保険とは分けて考える

この順番を押さえると、「とりあえず勧められた保険に入る」状態から抜け出しやすくなります。

保険でお金が戻ってくる仕組み

保険を考えるうえで、知っておきたい前提があります。

保険は「みんなで出し合って、不運な人に回す」仕組み

保険は、たくさんの契約者が少しずつ保険料を出し合い、その中から、実際に病気・事故・死亡などにあった人へ大きなお金を払う、助け合いの仕組みです。

何事もなかった人の保険料は、不運にあった人への支払いに回ります。

これは損ではなく、「自分にも起きたかもしれない大きな損害を、みんなで分担して備える」という、保険の本質です。

払った保険料には、必ず保険会社のコストが含まれる

契約者から集めた保険料は、大きく2つに使われます。

  • ひとつは、保険金や給付金の支払いに充てる部分(保障そのものの原価)
  • もうひとつは、保険会社の運営費、販売手数料、利益などにあてる部分(保険を動かすためのコスト)

2つ目の部分があるため、払った保険料が、そっくりそのまま保障や積立に回るわけではありません。

これは「保険は損」という意味ではありません。

めったに起きないけれど、起きたら家計が破綻するような損害に備えるためには、このコストを払ってでも保険に入る価値があります。

ただし、コストはかかるので、保険は必要最小限にした方がムダが少なくなります。

貯蓄型で「戻ってくるお金」の正体

この前提は、特に貯蓄型保険を考えるときに効いてきます。

掛け捨ての保険は、保障だけを買う保険です。保険料が安いかわりに、何もなければお金は戻りません。

ただ、これはごく当たり前のことです。

保険会社にとって、保険は「商品」です。スーパーでニンジンを買うのと同じように、お金を払って、保障(安心)という商品を受け取っているにすぎません。

ニンジンを買ってお金が戻ってこないのを誰も不思議に思わないように、掛け捨ての保険でお金が戻らないのも、本来は自然なことです。

むしろ、貯蓄型保険のように「お金が戻ってくる」方が、保険という商品としては特殊だといえます。

一方、貯蓄型保険は、この保障部分に加えて、積立部分をセットにした商品です。「お金が戻ってくる」のは、この積立部分があるからです。

ただし、戻ってくるお金のもとをたどれば、自分が多めに払った保険料です。

しかも、その積立部分も、保障のコストや手数料を差し引かれた後に運用され、将来の解約返戻金や満期保険金として戻ってきます。

イメージとしては、自分の財布から保険会社の財布に一度お金を移し、コストを差し引かれてから返してもらうようなものです。

だから「掛け捨て+自分で運用」が効率的になりやすい

だとすれば、最初から次のように分けた方が、保険会社の中間コストを抜かれないぶん、効率がよくなりやすいです。

  • 保障は、掛け捨ての保険で最小限だけ買う
  • 残りのお金は、自分で新NISAなどで運用する

「保険で貯める・増やす」より、「保障は保険、貯蓄・運用は自分で」と分けるのが基本になります。

貯蓄型より「掛け捨て+投資」が効率的になりやすい

ここから導かれる基本方針は、シンプルです。

貯蓄型保険は、いわば保障(保険)と運用(投資)がセットになった商品です。だからこそ、その2つを切り離して考えます。

  • 保障は、掛け捨ての保険で、必要な期間・必要な額だけ確保する
  • 貯蓄・運用は、保険と分けて、新NISAや預貯金など目的に合った手段で行う

貯蓄型保険(終身・養老・個人年金・学資など)は、保障と貯蓄が一体になっているぶん割高になりやすく、多くの人にとっては優先度が低くなりやすい商品です。

「掛け捨ては掛け捨て、貯蓄は貯蓄」と分け、貯蓄型に払うはずだった差額を投資に回した方が、長期では効率的になりやすいと考えられます。

実際に金額で比較すると差が見えやすいので、詳しくは 貯蓄型保険に払うお金を投資に回したら も参考にしてください。

ただし、投資には値動きがあり、元本割れのリスクもあります。

短期で使うお金ではなく、10年以上使わない長期資金で行うのが基本です(→ 投資の目的を最初に決める)。

保険の主な種類(早見表)

民間保険の代表的な種類を、必要・不要に分けて整理します。

必要な保険(この3つ)

種類主に備えるものメモ
死亡保険(掛け捨て)働き手が亡くなったときの遺族の生活費定期・収入保障保険で、必要な期間・額だけに絞る
火災保険火事・水災・風災などによる住宅の損害持ち家は建物(再建費用)、賃貸は借家人賠償が中心。家財の補償は貯蓄で代替できる
自動車の賠償保険事故で相手に与えた損害の賠償(対人・対物)賠償額が大きくなり得るため、無制限が基本

不要・優先度が低い保険

種類主に備えるものメモ
終身保険一生涯の死亡保障+貯蓄保障と貯蓄が一体で、割高になりやすい
医療・がん保険入院・手術・がん治療などの自己負担公的医療保険+高額療養費で多くがカバーされる
就業不能保険長期間働けないときの収入減傷病手当金・障害年金などの公的保障と貯蓄で備えられる
個人年金保険老後資金新NISA・iDeCoと比べると利回りは低めになりやすい
学資保険子どもの教育資金返戻率は低め。預金・新NISAとの比較が前提
地震保険地震・噴火・津波による損害再建費用の全額はまかなえない。補償額のわりに保険料負担が増える点に注意
車両保険自分の車の修理・買い替え費用保険料が高額になりやすい。車の修理費は貯蓄でカバーする方が合理的

必要な保険は、基本的に掛け捨ての死亡保障・火災保険・自動車保険(対人・対物)の3つだけと考えてよいほどです。

それ以外の保険は、公的保険や貯蓄で代替できることが多く、入っても保険会社のコストを差し引かれるぶん効率は下がります。

つまり、保険は必要な分だけに抑え、お金は投資で増やす。保険にかけるお金が少ないほど、投資に回せるお金は増えます。これが、保障と資産形成を両立するうえで、もっとも合理的な選び方です(→ 貯蓄型保険に払うお金を投資に回したら)。

必要な3つの保険を、もう少し詳しく

表で「必要」とした3つの保険について、もう少し詳しく見ていきます。

死亡保険(定期・収入保障)

死亡保険は、働き手が亡くなったときに、残された家族の生活費を支えるための保険です。

特に、既婚で子どもがいる家庭では優先度が高くなります。

子どもが小さい時期に家計を支える人が亡くなると、生活費や教育費が長期間不足する可能性があります。

このような大きなリスクに備えるには、掛け捨ての定期保険や収入保障保険が使いやすいです。

掛け捨てなら保険料を抑えやすく、子どもが独立するまでなど、必要な期間に絞って保障を持てます。

公的な遺族年金で足りない分を民間保険で補う、という考え方が基本です。

火災保険

火災保険は、火事だけでなく、水災、風災、落雷などによる住宅の損害に備える保険です。

持ち家でも賃貸でも、住まいに関わる大きな損害に備える、優先度の高い保険です。

持ち家の場合

必要性が高いのは、建物の部分です。

住宅は多くの家庭にとって大きな資産で、火災や自然災害で建物を失うと、再建には大きなお金がかかるからです。

なお、火災保険には家財(家具・家電など)を補償する部分もありますが、こちらは必須ではありません。家財の買い替えは、生活防衛資金で対応できる範囲も大きいからです。

賃貸の場合

建物そのものは大家さん側の保険で備えることが多いですが、借りている部屋に自分で損害を与えた場合の借家人賠償責任に備える保険として捉えると把握しやすくなります。

賃貸で入る火災保険は、火事などの被害に備えるだけでなく、自分の不注意で借りている部屋を傷つけたり壊したりしたときの賠償にも使えます。

自動車保険(対人・対物賠償)

自動車保険のうち、対人・対物賠償は優先度が非常に高い保険です。

事故で相手にけがをさせたり、相手の車や建物などを壊したりした場合、賠償額が数千万円〜億単位になることもあります。

自賠責保険だけでは足りないケースもあります。

そのため、自動車を運転するなら、任意保険の対人・対物賠償は金額無制限にしておくのが基本です。

これは、貯蓄で対応するには大きすぎる損害に備える典型的な保険です。

保険の入り方 基本の4ステップ

優先度が見えたら、入り方の基本は次の4ステップです。

1. 公的保険でどこまで守られるか確認する

日本では、公的な保険や制度が用意されています。

代表的なものは次の通りです。

  • 健康保険(公的医療保険):医療費の自己負担は年齢や所得に応じて原則1〜3割です。さらに高額療養費制度により、1か月の自己負担額には上限があります。
  • 傷病手当金:会社員などが病気やけがで長期間働けないとき、収入の一部を補う制度です。自営業・フリーランスには原則としてありません。
  • 障害年金:病気やけがで一定の障害が残り、生活や仕事が制限されるときに受け取れる年金です。
  • 遺族年金:働き手が亡くなったとき、残された家族が受け取れる年金です。

まずは「自分の場合、公的制度でどこまで守られるか」を確認しましょう。

2. 公的保険で足りない「大きな損害」だけ補う

公的保険で大半がカバーされる出費に民間保険を重ねても、保険料の割に効果は小さくなりがちです。

民間保険は、公的保険でカバーしきれない「大きな損害」に絞ると効率がよくなります。

たとえば、世帯主が亡くなった場合の遺族の生活費、火事で住まいを失った場合の損害、自動車事故で相手に大きな損害を与えた場合の賠償などです。

公的保険では賄いきれないこうした大きな損害に備えるのが、掛け捨ての死亡保険・火災保険・自動車保険(対人・対物賠償)です。

3. 入るなら掛け捨てで、必要な期間・必要な額だけ

同じ保障でも、掛け捨ての方が保険料は安く済みます。

死亡保障なら、子どもが独立するまでなど、必要な期間に絞って、必要な額だけかけるのが基本です。

一生涯の保障や貯蓄機能をつけると、保険料は高くなりやすいです。

保険は、家計を守るための道具です。

必要以上に厚くしすぎると、かえって家計を圧迫してしまいます。

4. 貯蓄・運用は保険と分ける

老後資金や教育資金などの「貯める・増やす」部分は、保険と分けて考えると効率的です。

貯蓄や運用は、新NISA、預貯金、個人向け国債など、目的に合った手段で行います。

  • 短期で使うお金は預金
  • 10年以上使わない長期資金は、低コストの株式インデックスファンド
  • 老後資金なら、新NISAやiDeCo

このように、目的と時間軸に合わせて置き場所を分けるのが基本です。

新NISAは運用益が非課税になる制度ですが、元本保証ではありません。

投資信託や株式で運用する場合は、値下がりすることもあります。

そのため、生活防衛資金や近いうちに使うお金まで投資に回しすぎないようにしましょう。

そして、保険は守りのために必要な最小限だけにとどめます。保険にかけるお金が少ないほど、その分を「増やす」ためのお金として投資に回せるからです(→ 投資の目的を最初に決める)。

地震保険はどう考える?

地震保険は、地震・噴火・津波による損害に備える保険です。

火災保険に付帯して加入する仕組みで、地震保険だけを単独で契約することはできません。

注意したいのは、地震保険は住宅を完全に建て直すための保険ではないことです。

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の一部に限られます。

そのため、地震で家を失っても、再建費用の全額をまかなえるわけではありません。

また、補償額が限定される一方で、地震保険を付けると保険料の負担は増えます。

「地震後の生活再建費用を一部補う保険」としては意味がありますが、「家を建て直す保険」として期待しすぎると、思ったより補償が少ないと感じる可能性があります。

保険料に対してどこまで備えられるのかを確認し、費用対効果を見て判断したい保険です。

まとめ

保険は、「めったに起きないが、起きたら家計が傾く損害」に備えるものです。

保険会社は、契約者から集めた保険料をもとに、保険金や給付金、解約返戻金、満期保険金、運営コスト、販売手数料などをまかなっています。

そのため、貯蓄型保険で「お金が戻ってくる」場合も、もとは自分が多めに払った保険料であり、そこから保障コストや事業費などが差し引かれています。

基本は、保障と貯蓄・運用を分けることです。

優先度が高いのは、掛け捨ての死亡保障、火災保険、自動車保険の対人・対物賠償です。

終身保険、医療保険、がん保険、個人年金保険などは、公的保険や貯蓄で代替しやすく、優先度は低めになりやすいです。

地震保険は、地震後の生活再建費用を一部補う保険ですが、住宅の再建費用を全額まかなうものではありません。

入るなら掛け捨てで、必要な期間・必要な額だけに絞り、貯蓄・運用は保険と分けて考えましょう。

そして、保険にかけるお金は少なくして、その分、できるだけ投資にお金を回す。これが、家計と資産形成を両立するうえでの基本です。

※本記事は2026年6月時点の公開情報をもとにした一般的な解説です。保険商品の内容や公的制度、税制は変更される可能性があります。最適な保障は家族構成・収入・資産・住まいによって異なります。投資には元本割れのリスクがあります。最新情報や個別の契約内容は、各保険会社の公式情報や公的機関の公式情報でご確認ください。

よくある質問

Q. 貯蓄型保険はお金が戻ってくるのに、なぜ優先度が低いのですか?

戻ってくるお金のもとは、自分が多めに払った保険料だからです。

保険会社はそこから保障のコストや手数料、事業費などを差し引いて運用し、将来の解約返戻金や満期保険金として戻します。

同じお金を「掛け捨てで最小限の保障+自分で運用」に分けた方が、中間コストを抑えられるぶん効率的になりやすいです。

具体的な比較は 貯蓄型保険に払うお金を投資に回したら で扱っています。

Q. 「掛け捨てはもったいない」と感じます。それでも掛け捨てでいいのですか?

掛け捨ては、保障だけを安く買う合理的な方法です。

何も起きなければお金は戻りませんが、それは「安心を買った」対価であり、ムダではありません。

むしろ、戻りをつけた貯蓄型保険は、保険会社のコストを差し引かれるぶん割高になりやすいです。

同じお金なら、保障は掛け捨てで確保し、残りは投資に回した方が効率的になりやすいです(→ 貯蓄型保険に払うお金を投資に回したら)。

Q. 大きな病気やけがをしたとき、貯蓄だけで大丈夫ですか?

日本では公的医療保険があり、医療費の自己負担は原則1〜3割です。

さらに高額療養費制度により、1か月の自己負担額には上限があります。

そのため、生活防衛資金がある程度あれば、大きな病気やけがの費用も、公的保険と貯蓄で多くは対応できます(→ 生活防衛資金の作り方)。

Q. 独身でも生命保険(死亡保障)は必要ですか?

自分が亡くなったときに経済的に困る家族がいなければ、大きな死亡保障の優先度は低くなります。

葬儀費用などに備えたい場合も、まずは貯蓄で対応できないかを考えてみるとよいです。

Q. 子どもが生まれたら、どんな保険に入ればいいですか?

まず優先したいのは、働き手にもしものことがあったときの死亡保障です。

掛け捨ての定期保険や収入保障保険で、子どもが独立するまでなど、必要な期間に必要な額だけ確保します。

教育費などの「貯める・増やす」お金は、保険ではなく、預金や新NISAで準備するのが効率的です(→ 投資の目的を最初に決める)。

ただし、新NISAは元本保証ではありません。

使う時期が近い教育費まで投資に回しすぎないようにしましょう。

Q. 保険は何から見直せばいいですか?

まず、公的保険でカバーされる範囲を確認するのがおすすめです。

そのうえで、貯蓄型保険や、保障が重複している保険から点検すると、減らせる保険料が見つかりやすいです。

見直しの考え方は 保険見直しの基本 も参考にしてください。

Q. 結局、どう入るのが基本ですか?

公的保険で足りない「大きな損害」だけを、掛け捨てで必要な分だけ補うのが基本です。

老後資金や教育資金などの貯蓄・運用は、保険ではなく新NISAや預貯金など、目的に合った手段で分けて考えましょう(→ 投資の目的を最初に決める)。

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保険を見直す → 保険見直しの基本

貯蓄型を数字で比較 → 貯蓄型保険に払うお金を投資に回したら

投資の目的から考える → 投資の目的を最初に決める

その前に備える → 生活防衛資金の作り方

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