暴落が来たらどうする:やっていいこと・やってはいけないこと
長期で投資を続けていると、どこかで大きな下落に遭遇する可能性があります。
リーマン・ショックやコロナ・ショックのように、株式市場全体が短期間で大きく下がる局面は、過去に何度もありました。
暴落が来たとき、初心者が最もやりがちな失敗は、慌てて全部売ることです。
この記事では、暴落時にやっていいこと・やってはいけないことを、初心者向けの行動チェックリストとして整理します。暴落とどう向き合うかという考え方や背景の深掘りは、暴落時の心構え(7つの原則)でまとめているので、あわせて読むと迷いにくくなります。
やってはいけないこと
慌てて全部売る
暴落時に最も避けたいのが、パニックになって保有資産を全部売ることです。
投資は、安く買って高く売ることで利益を得るものです。ところが、暴落時に慌てて売ると、安くなったところで売ってしまうことになります。
下落しているときに売ると、損失が確定します。
その後に市場が回復しても、すでに売ってしまった資産は回復の恩恵を受けられません。
また、売った後に「いつ買い戻すか」を判断するのは非常に難しいです。
下がったから売り、上がってから買い戻す形になると、長期投資の効果を得にくくなります。
長期投資では、暴落そのものを完全に避けることはできません。大切なのは、値下がりを前提にして、回復を待てる金額で投資を続けることです。
積立をやめる
積立投資は、高い時にも安い時にも一定額を買い続ける仕組みです。
暴落時に積立をやめると、安い時に買う機会を逃してしまいます。
ドルコスト平均法の考え方では、価格が下がっている時期ほど、同じ金額で多くの口数を買えます。
もちろん、その後さらに下がる可能性はあります。
それでも、長期で積み立てる前提なら、暴落時だけ積立を止めるより、決めた金額を淡々と続ける方がシンプルです。
無理に買い増しをしなくても、積立を止めないだけで十分です。
ニュースやSNSに振り回される
暴落時は、悲観的なニュースやSNSの投稿が増えます。
「もう終わりだ」「さらに下がる」「今すぐ売るべき」といった情報を見ると、不安が大きくなります。
ただし、悲観一色のときに売ると、悪いタイミングで売却してしまう可能性があります。
ニュースやSNSは事実確認に使う程度にし、投資判断は自分の方針に沿って行うことが大切です。
損失を取り返そうとして別の投資に手を出す
暴落時には、「損を取り返したい」という気持ちが強くなります。
その勢いで、レバレッジ商品、FX、暗号資産など、値動きの大きい商品に手を出すのは危険です。
冷静さを失いやすい局面で、普段やらない投資を始めると、損失をさらに大きくする可能性があります。
やっていいこと
何もしない
長期投資を前提にしているなら、「何もしない」が合理的な選択になることがあります。
積立設定をそのままにして、基準価額を頻繁に見ない。
暴落が来ても、淡々と続ける。
これが長期投資の基本です。
特に、全世界株式やS&P500などの低コスト株式インデックスファンドを長期資産形成のために買っているなら、短期的な下落だけで慌てて売る必要はありません。
積立を続ける
暴落時こそ、積立投資を続けることが大切です。
安い時に買えるということは、将来の回復時にリターンにつながる可能性があります。
毎月の積立額は変えず、設定したままにしておくのが最もシンプルです。
生活防衛資金を確認する
暴落時は、自分の生活防衛資金が十分にあるかを確認するタイミングでもあります。
生活費の1年分が預金にあれば、投資資産が下がっていても、日常生活は守りやすくなります。
生活防衛資金が不足している場合は、追加投資よりも現金の確保を優先します。
暴落時に不安になる原因の多くは、「投資資産が下がったこと」だけではなく、「もし今お金が必要になったらどうしよう」という不安です。
生活防衛資金があれば、下落局面でも冷静に判断しやすくなります。
資産配分を確認する
暴落後に、資産配分が大きく崩れていないかを確認するのもよいでしょう。
ただし、初心者が暴落時に細かくリバランスを判断するのは難しいこともあります。
全世界株式やS&P500のインデックスファンド1本で運用しているなら、基本的にリバランスは不要です。
複数の資産を持っている人だけ、株式・債券・現金のバランスが自分の方針から大きく外れていないかを確認すれば十分です。
余裕資金があれば追加投資を検討する
生活防衛資金があり、近い将来使う予定のない余裕資金がある場合は、暴落時に追加投資する選択肢もあります。
株価が大きく下がっている局面は、長期で見れば安く買えるタイミングになる可能性があります。
ただし、さらに下がる可能性もあります。
一括で全額投入するより、数回に分けて投資する方が心理的に続けやすい場合があります。
追加投資は、あくまで余裕資金で行うものです。生活防衛資金を削ってまで買い増しする必要はありません。
暴落に備えて平時にやっておくこと
暴落が来てから慌てるのではなく、平時に備えておくことが大切です。
生活防衛資金を確保する
生活費の1年分を預金で持っておきます(金額の決め方は生活防衛資金はいくら必要かを参照)。
投資額を無理のない金額にする
値下がりしても生活に困らない金額で投資します。
投資額が大きすぎると、暴落時に不安が強くなり、売らなくてもよい場面で売ってしまいやすくなります。
投資の目的と期間を決める
老後資金なら、20年、30年先のためのお金です。
短期の値動きに一喜一憂しすぎないことが大切です。
教育費や住宅購入資金など、近いうちに使う予定のお金は、投資ではなく預金などで確保しておく方が安心です。
暴落は起きるものだと理解しておく
株式市場は、長期で成長してきた一方で、何度も大きな下落を経験しています。
暴落を完全に避けることはできません。
大切なのは、暴落を予想して当てることではなく、暴落が来ても続けられる仕組みを作っておくことです。
投資方針を書き出しておく
たとえば、次のように決めておきます。
「全世界株式を毎月3万円積み立てる。生活防衛資金は別に確保する。暴落しても、長期目的の資産は売らない」
このように投資方針を書き出しておくと、下落時に迷いにくくなります。
暴落時に冷静でいられるかどうかは、平時の準備でかなり変わります。
過去の暴落と回復
過去の暴落でも、下落時に売らずに持ち続けた人は回復の恩恵を受けやすく、慌てて売った人は損失を確定させて買い戻しに迷いがちでした。リーマン・ショックやコロナ・ショックなど具体的な事例と、そこから導ける考え方は暴落時の心構え(7つの原則)で詳しく解説しています。
まとめ
暴落は、長期投資をしていれば経験する可能性が高い出来事です。
暴落時にやってはいけないことは、慌てて売ること、積立をやめること、ニュースに振り回されること、損を取り戻そうとして別の投資に手を出すことです。
やっていいことは、何もしないこと、積立を続けること、生活防衛資金を確認すること、余裕があれば追加投資を検討することです。
暴落に備える最善の方法は、平時から生活防衛資金を確保し、無理のない金額で投資し、「暴落しても長期目的の資産は売らない」というルールを持っておくことです。
長期投資では、暴落を避けることより、暴落を乗り越えられる仕組みを作ることが大切です。
本記事は長期投資における暴落時の考え方を整理した一般的な情報であり、特定の商品や金融機関を推奨するものではありません。
※本記事の内容は2026年5月時点の一般的な情報です。過去のデータは将来のリターンを保証するものではありません。投資判断は、ご自身の家計状況、投資期間、リスク許容度に応じて行ってください。
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