広告を含む(PR)

iDeCo vs 企業型DC — 違いとマッチング拠出の使い方

公開日:2026-05-09

確定拠出年金には、自分で加入する「iDeCo(個人型)」と、会社が提供する「企業型DC(企業型確定拠出年金)」の2種類があります。

会社員の方は、「うちの会社、企業型DCに入っているけど、iDeCoもやった方がいいの?」と迷うことが多いと思います。

この記事では、iDeCoと企業型DCの違い、マッチング拠出、併用の可否を整理します。

iDeCoと企業型DCの基本的な違い

項目 iDeCo 企業型DC
加入主体 個人が自分で加入 会社が制度として導入
掛金の出し手 個人(全額自己負担) 会社(事業主掛金)が基本
商品ラインナップ 金融機関ごとに異なる(自分で金融機関を選べる) 会社が選んだ運営管理機関の商品から選ぶ
運営管理手数料 個人負担(金融機関による) 原則会社負担
所得控除 掛金が全額所得控除 事業主掛金は給与扱いされず非課税。マッチング拠出分は所得控除

企業型DCにある「マッチング拠出」とは

マッチング拠出とは、企業型DCで会社が出している掛金(事業主掛金)に加えて、従業員が自分の給与から追加で掛金を上乗せできる制度のことです。以下、本記事では「マッチング拠出」と表記します。

マッチング拠出した分は、iDeCoと同じく 全額所得控除 になります。会社員にとっては、企業型DC+マッチング拠出だけで所得控除メリットを受けられる仕組みです。

ただし、マッチング拠出には次の制約があります。

  • マッチング拠出ができる金額は、事業主掛金以下まで
  • マッチング拠出と事業主掛金の合計が、企業型DCの拠出上限内
  • マッチング拠出制度を導入していない会社もある

マッチング拠出制度がある場合は、まず マッチング拠出とiDeCoのどちらが自分に合うか を比較するのが基本です。企業型DCの商品ラインナップが十分で、拠出可能額にも不満がなければ、マッチング拠出で完結するのも有力です。一方、商品ラインナップや拠出可能額に不満がある場合は、iDeCoを選ぶ方がよいケースもあります。

企業型DCとiDeCoの併用

2022年10月以降、企業型DC加入者も原則として iDeCoに加入しやすく なりました。以前は会社の規約で個別に認められている必要がありましたが、現在は規約変更を待たずに加入できるのが基本です。

ただし、併用には次の条件があります。

  • 事業主掛金 + iDeCo掛金の合計が、企業型DCの 拠出限度額の範囲内 であること
  • 企業型DC・iDeCoが 各月拠出 であること(年単位拠出の人は要確認)
  • 企業型DCでマッチング拠出を利用していないこと(マッチング拠出を選んでいる場合はiDeCoと併用できない=二者択一)

実際に併用できるかどうか・自分の限度額がいくらかは、勤務先の人事部門・運営管理機関に確認するのが確実です。

制度改正の主な経緯

  • 2022年10月:企業型DCとiDeCoの併用条件が緩和(事業主掛金との合算ルールに変更)
  • 2024年12月:会社員・公務員のiDeCo拠出限度額の見直し(DB併用者は月12,000円→最大月20,000円に引き上げ。ただし他制度掛金相当額や事業主掛金との合算で月55,000円を超えられないため、人によっては月20,000円未満や拠出不可になる場合もあります)、事業主証明書の廃止で加入手続き簡素化
  • 2026年12月予定:iDeCo拠出限度額のさらなる引き上げ(第1号被保険者は月75,000円、第2号被保険者は企業年金等との合算で月62,000円となる方向で見直しが進行)

また2026年12月の改正では、現行制度の 「マッチング拠出の加入者掛金は事業主掛金以下」という要件の廃止 も予定されています。制度改正後は、企業型DC・iDeCo・マッチング拠出の使い分けが変わる可能性があります。

改正のたびに併用ルールが変わる可能性があるため、最新情報はiDeCo公式サイト・厚生労働省で確認することが大切です。

マッチング拠出 vs iDeCo 併用

会社にマッチング拠出制度がある場合、「マッチング拠出にするか、iDeCoを併用するか」を選ぶ必要があります。

判断基準の目安は次のとおりです。

マッチング拠出が向く人

  • 会社の事業主掛金が少なめで、マッチング拠出で十分な金額を上乗せできる
  • 金融機関を別途選ぶのが面倒
  • 運営管理手数料を会社が負担してくれる範囲で完結したい

iDeCoを選ぶ方が向く人

  • マッチング拠出で上乗せできる金額が小さく、iDeCoを使った方が拠出可能額や商品選択の面で有利になる
  • 企業型DCの商品ラインナップに不満があり、自分で金融機関や商品を選びたい

マッチング拠出とiDeCoは 同時利用できない(二者択一) なので、自分の状況に合わせてどちらかを選ぶ形になります。よくわからない場合は、まず会社の企業型DCの商品ラインナップ・手数料・拠出可能額を確認してから、マッチング拠出か iDeCo かを判断するのが現実的です。

「選択制DC」という仕組み

選択制DCとは、企業型DCの一形態で、毎月の給与の一部をDC掛金として拠出するか、そのまま給与として受け取るかを従業員が選べる制度です。「給与減額型」と呼ばれることもあります。

DC掛金として拠出すると、その分は給与扱いされないため、所得税・住民税の対象から外れます。また 標準報酬月額が下がる場合があり、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が下がる可能性があります(ただし制度設計や拠出額によっては等級が変わらないこともあります)。マッチング拠出(給与から所得控除する形)よりも手取りベースで有利になりやすい場面もあります。

ただし、標準報酬月額が下がった場合は、将来の厚生年金額が減る・育休手当や傷病手当金などの社会保険給付の計算ベースが下がる といったデメリットも生じます。短期的な手取りメリットと、将来の社会保険給付の減のバランスを判断する必要があります。

会社の制度として選択制DCを採用しているかどうかは、人事や福利厚生のページで確認できます。

転職・退職時の注意

企業型DCに加入していた人が転職・退職する場合、次のような選択肢があります。

  • 転職先の企業型DCに移管:転職先にも企業型DCがあれば原則移管
  • iDeCoに移換:転職先に制度がない場合や個人事業主になる場合
  • そのまま運営管理機関に放置:6か月以内に手続きしないと国民年金基金連合会に自動移換され、運用が止まる

退職後6か月以内に手続きしないと、国民年金基金連合会に自動移換され、運用が止まったまま毎月の管理手数料だけ取られ続ける ことになります。資産は減り続け、再開には別途手続きが必要になるため、退職時には必ず確定拠出年金の移換手続き(多くの場合 iDeCo へ移すのが現実的)を速やかに行いましょう。

なお、自動移換中は新規拠出ができず、運用商品も選べません。資産形成の機会を失う期間が発生するので、転職・退職時にはこの手続きを最優先で。

会社員が確定拠出年金を活用する基本パターン

会社員が確定拠出年金を活用する基本的な流れは次のとおりです。

  1. 会社の企業型DCの仕組みを確認する(事業主掛金・マッチング拠出・選択制DCの有無)
  2. マッチング拠出制度があれば、マッチング拠出とiDeCoのどちらが自分に合うかを比較する
  3. マッチング拠出を選ばない場合は、iDeCoの活用を検討する(マッチング拠出とiDeCoは同時利用不可)
  4. 新NISAも活用する(流動性の確保)
  5. 転職・退職時には必ず移換手続きを行う

まとめ

iDeCoと企業型DCは、どちらも老後資金づくりのための税制優遇制度ですが、加入主体・掛金の出し手・商品ラインナップ・手数料の負担などに違いがあります。

会社員の場合、まずは会社の企業型DCの仕組み(マッチング拠出・選択制DCの有無)を確認しましょう。マッチング拠出制度がある場合は、マッチング拠出とiDeCoのどちらが自分に合うかを比較することから始めます。商品ラインナップや拠出可能額に不満があれば、iDeCoを選ぶ方がよいケースもあります(両者は同時利用できないので二者択一)。

※ 確定拠出年金の制度内容・拠出限度額・併用ルールは改正されることがあります。最新情報は厚生労働省・iDeCo公式サイト・勤務先の人事担当・運営管理機関でご確認ください。

iDeCo口座開設(PR)

iDeCo口座は1人1社のみ。長期インデックス投資なら、楽天証券・SBI証券のように低コストファンドが充実している金融機関が候補になります。

楽天証券 SBI証券

関連診断・関連記事

iDeCo の基礎 → iDeCo の基礎と出口戦略

iDeCo の出口課税 → iDeCo 出口の課税問題

新NISA との使い分け → 新NISAの基礎と活用戦略