教育資金と新NISA — ジュニアNISA終了後の積立戦略
公開日:2026-05-08子どもの教育資金は、子育て世帯にとって大きなお金の課題です。
2023年でジュニアNISAが新規受付を終了したため、今後は 親の新NISA枠を使って子どもの教育資金を準備する のが現実的な選択肢になっています。
この記事では、教育資金の積立戦略を整理します。
教育資金はいくら必要か
子どもの教育資金は、進学先によって大きく変わります。文部科学省の調査をベースにした目安は次のとおりです(公立・私立・自宅通学・下宿などで変動)。
| 段階 | 公立の目安 | 私立の目安 |
|---|---|---|
| 幼稚園(3年) | 約65万円 | 約160万円 |
| 小学校(6年) | 約220万円 | 約1,000万円 |
| 中学校(3年) | 約160万円 | 約430万円 |
| 高校(3年) | 約150万円 | 約320万円 |
| 大学(4年) | 約500万円〜(国公立) | 約700万〜1,000万円(私立文系・理系) |
すべて公立で大学まで進んだ場合の総額は約1,000万円、すべて私立だと約2,500万円以上といったイメージです。
ただし、これは家計から出る純粋な教育費の概算で、塾・習い事・受験費用・大学の下宿費などが追加されると、さらに数百万円〜の上乗せになります。
ジュニアNISA終了後の選択肢
まず最近の動きとして、令和8年度税制改正大綱で 2027年1月以降、0〜17歳にもNISAのつみたて投資枠を拡充する方針 が示されています。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円とされており、今後は「親の新NISA」だけでなく「子ども名義のNISA」も選択肢になる可能性があります。具体的な制度内容は最終的な改正で変わる可能性があるため、施行が近づいたタイミングで金融庁・財務省の最新情報を確認してください。
そのうえで、2023年でジュニアNISAが新規受付を終了している現状で取れる選択肢は、次のとおりです。
- 親の新NISA枠で運用:年間360万円までの非課税枠を活用
- 学資保険:保険機能と貯蓄を兼ねるが、利率は低め
- 預貯金:元本保証だが、長期での増え方は限定的
- 児童手当をそのまま貯金:子どもの口座で確実に貯める
特に 新NISAは教育資金の準備にも有力な選択肢 です。10〜18年といった長期で運用できるため、複利効果を活かせます。
新NISAで教育資金を作る場合のリスク
ただし、教育資金は 使う時期がほぼ決まっている ため、株式・投資信託で運用するときには注意が必要です。
子どもが大学に入る年(18歳)の直前に大きな下落が来ると、必要なときに必要な金額が引き出せない可能性があります。これは老後資金(取り崩しを長期に分散できる)とは異なる、教育資金特有のリスクです。
対策としては、次のような方法があります。
- 使う時期の3〜5年前から、徐々に現金比率を上げる
- 教育資金の一部は預貯金で確保し、残りを投資で運用
- 複数の子どもがいる場合は、最年長の子の進学に合わせて段階的に取り崩し
児童手当との組み合わせ
児童手当は、2024年10月の制度改正後、所得制限が撤廃され、高校生年代まで支給対象が拡大 されています。子ども1人あたりの支給額は次のとおりです。
- 第1子・第2子:3歳未満は月15,000円、3歳〜高校生年代は月10,000円
- 第3子以降:月30,000円
- 支払いは年6回(偶数月)
児童手当を子ども名義の口座にそのまま貯金していくと、18歳までの累計で第1子・第2子なら約230万円以上、第3子以降ならさらに大きくなります。
これを そのまま預貯金で確保し、教育資金の現金部分の核 にして、家計から出せる分を新NISAで運用に回す、という組み合わせが現実的です。
積立プランの例
たとえば、子どもが0歳のとき、大学費用として18年で500万円を準備したい場合の例です。
| 方法 | 月額 | 18年後の評価額の目安 |
|---|---|---|
| 全額預貯金(児童手当のみ) | 児童手当 | 約230万円 |
| 新NISAで月1万円積立 + 児童手当預貯金 | 1万円 + 児童手当 | 約350万円 + 約230万円 = 約580万円 |
| 新NISAで月2万円積立 + 児童手当預貯金 | 2万円 + 児童手当 | 約700万円 + 約230万円 = 約930万円 |
※ 年5%・毎月末積立の概算。実際の運用成果を保証するものではありません。市場環境・税制・為替によって増減します。
新NISAへの積立は、児童手当をそのまま預貯金に回したうえで、家計から無理のない範囲で追加するのが現実的です。
親の老後資金とのバランス
教育資金を頑張りすぎると、親の老後資金が手薄になる リスクがあります。
老後資金は60歳以降に必要なお金、教育資金は10〜20年後に必要なお金、と時期が違うため、両方を並行して準備する必要があります。
優先順位の目安は次のとおりです。
- 生活防衛資金(最優先)
- 児童手当の貯金 + 新NISAつみたて投資枠(教育資金 + 親の老後資金を兼ねる)
- iDeCo(親の老後資金)
- 新NISA成長投資枠(余力に応じて)
新NISAつみたて投資枠は、子どもの大学費用にも、親の老後資金にも使える柔軟性があります。教育資金で使い切れず余ったら、そのまま親の老後資金として運用を続けられます。
学資保険は選択肢としてどうか
学資保険は保険機能(親に万が一があっても満期金が出る)と貯蓄を兼ねた商品です。
ただし、現在の低金利環境では返戻率が高くなく、新NISAの長期運用と比べると効率は劣りやすいです。死亡保障が必要なら、別途 掛け捨ての死亡保険+新NISA積立 という組み合わせのほうが、保険料・運用効率の両面でメリットが出やすい場合が多いです。
すでに学資保険を契約している人は、無理に解約する必要はありません(解約返戻金が元本割れすることが多い)。今後新たに教育資金の準備を始める人は、学資保険ではなく新NISAでの長期積立を中心に考える方が現実的です。
まとめ
ジュニアNISAが終了した今、教育資金は 親の新NISA枠と児童手当の組み合わせ で準備するのが現実的です。
ただし、教育資金は使う時期がほぼ決まっているため、進学の3〜5年前から徐々に現金比率を上げるなど、暴落リスクへの備えも必要です。
教育資金と親の老後資金は両立して準備するのが基本。生活防衛資金 → 新NISAつみたて投資 → iDeCoの順番で、無理のない積立を続けましょう。
そして直近のトピックとして、令和8年度税制改正大綱では 2027年1月以降、0〜17歳にもNISAのつみたて投資枠(年間60万円・非課税保有限度額600万円)を拡充する方針 が示されています。施行されれば「子ども名義のNISA」も教育資金準備の有力な選択肢になります。最終的な制度内容は今後の改正で変わる可能性があるため、施行が近づいたら金融庁・財務省の最新情報を確認してください。
※ 教育費の概算は文部科学省「子供の学習費調査」等を参考にした目安です。実際の必要額は進学先・地域・生活水準によって大きく変わります。最新の制度・補助金は文部科学省・自治体の公式情報でご確認ください。